一番スマートなのは

自給自足かな。

ーー以下全部引用ーー

次世代送電網「スマートグリッド」で期待される日本の電力技術
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20090617-00000001-diamond-bus_all

オバマ政権をはじめ、各国の環境政策で注目を高めている「スマートグリッド」(次世代送電網)。すでに、オバマ政権はスマートグリッドに約1兆1000億円の予算をつけており、今後は網構築が大きく前進するとみられる。スマートグリッドとは名前の通り「賢い」送電網である。従来の電力網では、発電所で発電された電気は、送電線や変電所、配電線などを通り、家庭やオフィスなどに向かって送電される。

 スマートグリッドは、これまでの発電所から消費者へという一方向だった流れを双方向にするところに特長がある。IT技術を駆使することで、消費者の電力需要情報などを把握し、需要と供給をマッチングさせることが可能になる。電力を必要としている人に効率的に供給する点がメリットの一つだ。

 スマートグリッド地球温暖化対策にも効果的だ。現在、太陽光発電風力発電は天候次第で発電量が変わり、電圧が不安定になるという欠点がある。今後、発電している場所と消費者がスマートグリッドでつながれば、ネットワークの頭脳が「賢く」最適な送電経路を算出し、適した発電場所から消費者へ安定した電気を送れるようになる。スマートグリッドによって、よりクリーンなエネルギーが有効活用できるようになるといわれている理由はここにある。

 日本国内でも実証実験に向けてプロジェクトが誕生している。メンバーには、リーダーの東京工業大学のほか、東京電力および、東芝日立製作所などの電機メーカーや明電舎伊藤忠商事、関電工などが名を連ねている。2008年から09年度は課題の整理にあて、2010年度から約3年間を実証実験の期間とする予定である。

スマートグリッド」への期待が高まる中、報道は過熱の様相を呈している。対して、「スマートグリッドという言葉だけが先行している」(電機メーカー関係者)と一部では冷ややかな声もある。先日、シャープや関西電力堺市などが2010年度にスマートグリッドの実証実験を実施すると報じられた。しかし、シャープでは今後、蓄電技術などで実験に参加する可能性はあるとしながらも、「現段階では何も決まっていません」(シャープ 広報)と困惑気味。関西電力も同様、将来的に協力することは多いにあるとしながらも、「堺市の環境都市推進協議への参加は事実だが、現時点では実証実験について話は具体化していません」という。

 さらには、スマートグリッドは日本には不要だという説もある。その背景にはアメリカと日本の電力事情の違いがあげられる。日本はアメリカと比べ、電力の供給が安定している。電気事業連合会の調べによると、顧客一軒当たり年間事故停電時間はアメリカの97時間に対して、日本は19時間と圧倒的に少ない。また、アメリカでは電力網の劣化が問題になっているが、メンテナンスをこまめに実施している日本ではこのような問題はない。これらは、電力会社や電機メーカー、電線各社が擁する日本の電力技術の高さを示している。つまり、日本の電力はすでにスマートな(賢い)のである。

 むしろ、この日本の高い技術力は海外のスマートグリッドで事業化したほうが有効だという期待もある。4月、新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO)は、スマートグリッドについて、日米双方の専門家が参加するワークショップを米ニューメキシコ州で開催した。

スマートグリッドに関しては、アメリカと協力して進めるという議論は始まっています。詳細は調整中ですが、秋ごろから具体的に事業スタートする可能性もあります」(NEDO

 NEDOなどと、共同研究に参加している東芝は、現時点では米スマートグリッドの市場参入は決まっていないとしながらも、「当社は蓄電や網制御に関して技術を持っているので、話があれば協力していきたい」と意欲を示している。将来的には、日立製作所東芝などの電機メーカーが米国スマートグリッド市場へ参入する可能性は高い。電力技術に関して優等生ゆえに、スタートがゆっくりとなった国内のスマートグリッドだが、海外からは日本の高い技術に対して熱い視線が注がれている。

(江口 陽子)