なぜPCの利用時間の3割は「ムダ」なのか

「遊び(機械とかで、部品と部品の間にゆとりをもたすこと)」も大事だろうけど。

ーー以下全部引用ーー

なぜPCの利用時間の3割は「ムダ」なのか
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20090522-00000001-president-bus_all

■非効率な職場では「不正」が起こる

「『息抜きのために私用でネットやメールを使うのは、使った社員が悪い』というのは誤り。もっと深い原因がある」。そう話すのはキヤノン電子社長・酒巻久氏だ。

 PC導入以前は給湯室など社員のサボる場所は決まっていたが、ネットサーフィンが自席でできるようになり、一見しただけではサボっているか否かがわかりにくくなってしまった。
 キヤノン電子では、PC操作をリアルタイムで監視するソフトを商用化した。このソフトで就業中にネットやメールで遊んでいる社員をあぶり出すことができる。
 酒巻氏曰く、「調査すると、一般にPC利用時間の3割程度は私用で使われていることが多い」という。
 特に経営層や管理職までがネットで遊んでいる会社は、業績が悪くなりがちだ、と酒巻氏は指摘。「銀行から出向してきた人など、職務があいまいな人ほど遊んでいる」(酒巻氏)。

 問題は業務効率にとどまらない。たとえば情報漏洩の問題。三菱UFJ証券の元部長代理が148万人分の顧客情報を不正に持ち出したニュースは記憶に新しい。PCで遊んでいる時間が長い従業員は会社で重要な仕事を任されておらず、忠誠心が低いうえ、「不正」を働く時間的余裕もあるため、このような行為に手を染めやすい。
「個人情報以外に、アパレル会社のデザインや、メーカーの設計データなど『知的財産』も狙われる」(酒巻氏)というように、企業にとって生命線ともいうべき情報も流出している。外国人従業員が情報を引き出すケースも多いという。

■無能な管理職が「暇な社員」をつくり出す

 しかし、ログの監視とその後の調査によって意外な事実も発見されている。それは「管理職の能力不足」である。
 典型例を挙げよう。ある企業が監視ソフトを導入したときのこと。ある女性社員が、会社の仕事は短時間で済ませてしまい、残りの時間は自分で立ち上げたオークションサイトを1日中運営していたことが判明した。それまでなぜ、誰も気づかなかったのかといえば、彼女は「女性社員ではナンバーワン」と言われるほど優秀な人物で、仕事ぶりが完璧だったからである。
 そこで、経営者が本人を呼び出して理由を問いただしたところ、彼女は泣きながら答えた。
「仕事がないんです」。

 実は、彼女は仕事が早く終わってしまうので、「もっと仕事を与えてください」と上司に訴えたことが今までに何度もあったという。上司が彼女の優秀さに見合った適正な仕事量を与えていなかったのだ。ちなみに、件の女性が立ち上げていたオークションサイトのシステムのレベルは相当高かったようだ。このように優秀な社員が、女性だからといった理由で十分に仕事を与えられず、時間を持て余してPCの私的利用を行っているケースも多いのである。
「IT化によって、今まで100人で行っていた作業が数人で済むようになった。だが、『管理職の評価は部下の人数』という考えをいまだに持っている人がいる。多くの部下を置きたがるのに、彼らに十分な仕事を回さない。それが非効率の元凶だ」と酒巻氏は断言する。

 PCの私的利用は、これを一律に禁止すれば済むというような単純なものではない。息抜きが業務効率を高めるという調査結果もある。私的利用も含め、部下を管理する能力が、管理職に問われているのだ。